「ブリット」は丸ごと傑作だ

 メイン・タイトルがこの音楽で始まる。作曲はラロ・シフリン。クールでハード、実にうまいものだ。スパイ大作戦もだしね。

 

 

 そして有名なカーチェイス・シーン。これがすごい。スタントなしでマックィーン本人の運転である。車は1968年型Ford Mustang GT‐390 Fastback、エンジン音が遠慮なしのアメリカ車丸出しだ。これで同じく1968年型Dodge Chargerを追う。時速160キロ以上でサンフランシスコの街を実際に飛ばしている。現役レーサーのマックィーンと元レーサーのピーター・イェーツ監督の二人ならではのリアルなスピードへの執念である。このシーンの撮影に5週間かけたのですぞ。

 

 

 荒っぽいばかりではない。こんなシーンもあるのだ。ジャズ・クラブでのジャクリーン・ビセットとのいい場面。ここの音楽が印象的で、ラロ・シフリンの技の効かせ方がさすがに玄人である。

 

 

 脚本、監督、配役、音楽をマックィーンの魅力でずしりとまとめた名作だとワタクシ思うのであります。観たのは18のときだったなあ。当時の我がふるさとの町にもまだ映画館があったのだ。その名も「国際劇場」という。ほかにもう2軒あってそちらは邦画。 映画館に蕎麦屋が出前を届けるよき時代でありました。