鳥海山を飲む

 秋田では花冷えというよりただの「冷える」日が続いている。5月に入ったというのに今日も冷たい雨だ。もうちょっとで八十八夜だし立夏だ。そうなれば初夏ですよ。こんなでは田植えだってなかなかできないだろう。困ったものである。そこで微力ながらも天候の回復を祈願すべしと立ち上がった。酒を買いに行かねば。

 

 由利本荘の生まれであるから自ずから身体に備わった酵母というものがあるらしく、子供の頃遊び場とした「飛良泉」を飲むと自分の体にはいいのだが、今日はもう少し視野を広くしなければならない。なにしろ天候回復と秋田の地全てに五穀豊穣を願わねばならぬのだから、秋田で一番(と自分が決めている)霊峰鳥海に祈ることとする。 祈るとは飲むことである。鋭い断定であるが、目的は手段を正当と化するのであるから差し支えない。したがって銘柄はどうしても「鳥海山」。矢島の「天寿酒造」の作である。日頃は飲まない天寿の酒だが「鳥海山」と名が付けば別である。駅前に出かけアトリオン地下の「あきた県産品プラザ」で手に入れてきた。ついでに海の物をと、鰰の「ブリコ一匹寿司」及び「白子漬」も購入。こちらは男鹿と八森の産であった。

 

 春のいろどりにと菜花を添えたところで写真を撮ってみた。二本並んだ左側が純米大吟醸生酒要冷蔵、右が清澄辛口とあるが本醸造であろう。日本酒度は左が+1、右が+6~8。精米歩合は50%と70%。度数はどちらも15度だから身体に及ぼす影響はいい勝負である。味は、あとくちがさわやかで品のよさが感じられるなかなかよろしいものでありました。

 

 あらためて、天気上々 天下泰平 豊年万作 を祈ります

 

 おっと、鰰の白子漬も乙でした。しょっぺがったけど。