ステファン・グラッペリの「枯葉」

 フランスのジャズ・ヴァイオリニスト、ステファン・グラッペリの奏でる「枯葉」。元来シャンソンのこの曲を見事にジャズに変貌させている。この曲の名演は数多くあるがその中でも逸品といえる。なにより幸福感が溢れているのがいい。大好きな演奏だ。まるで歌うような、音色の変幻自在ぶりが素晴らしい。1997年に89歳で生涯を終えるまでずっと現役で弾き続けた。ヴァイオリンは独学であったというが、他にも多くの楽器をこなし、中でもピアノはたいしたものでアルバムも残している。

 ちょっと気分が塞ぎ加減のとき、このじーちゃんのヴァイオリンでジャズを聴くとすっきりする。ずいぶんお世話になりましたよ。

 

 

 こちらもなかなか結構なお味です。1992年の来日公演。弦楽器だけで演奏している。このとき84歳ですぞ。この軽妙洒脱、あたたかさ。歳を取るのもいいものだと安心させてくれます。