音楽

音が語る

何年かぶりの大雪でひどいことに。特に県南部は暮れから毎日の雪との格闘で まさに災害。疲労困憊だ。そうこうするうちにわが方面でもドカンときました。 暴風雪で広範囲の停電、風が収まっても雪は続く。黙ってのっそりと積もって いく。文字通り見る見るう…

年の初めの ALL OF ME

「謹賀新年」とまずは皆々様にご挨拶。旧2020年は思いのほかにゴタついた 年で世界中もれなく嵐に見舞われましたが、明けて2021年、なんとか穏やか な年にと願わずにはいられません。そんな思いで、雪の晴れ間に用事を果たしに 外に出て近くのお寺の…

枯葉

同じ言葉でも人によって思うことは違う。「枯葉」と聞いて思い浮かべるのが 落ち葉焚きの焼き芋の人もいるだろうし、すっかり葉の落ちた街路樹の下を歩く 時のカサコソという音を思いだす人もいるだろう。ワタシなんぞは広場で落ち葉 を集めてこんもりと山に…

11月が去っていく

今日は11月最終日。天気もまことに暗ーい感じでシトシト雨が降っている。外を 眺めては、ふーむ・・まるで北ドイツのようではないか、などと呟くのである。 行ったこともないのに。まあそんな感じに日の光に乏しい今日が霜月の晦日。 何となく気持ちにも影が…

この第九に涙す

2000年5月1日、ベルリンフィルハーモニーのヨーロッパコンサートのライヴで ある。 指揮はClaudio Abbado。ベルリンフィルの創立を記念して始まったというヨー ロッパコンサート、10年目のこの年は本拠地での開催。この第九にはスウェーデン の合唱団を招い…

チューバはエライ

楽器の変遷を見るとよくもまあこんなに様々なものを作り出してきた ものだなあと思う。とりわけ低音域楽器をより低く、の探求の頑張りっ ぷりには驚きさえ覚える。高い音の方にとは違ったなんらかの思い入れ が人間にはあったのか、あるいは今もあるのか、そ…

フリューゲルホーンの魅力、そしてセルゲイ・ナカリャコフとの遭遇

昨夜は日付が変わらないうちに記事を上げようと焦ってしまい、少々 物足りないままに片づけてしまった。なにが物足りないのかと言うと、 それはフリューゲルホーンのこと。フリューゲルホルンと呼ばれるのを よく聞くのだが何となく「ホーン」という方がこの…

ユトレヒト 室内楽で 年が暮れ

題してInternational Chamber Music Festival Utrecht 2019である。 12月の27日から30日までの4日間オランダのユトレヒトで開かれた。 5年ばかり夏の開催で続けていたのをこの年末年始のシーズンに戻した のだそうだ。毎年ゲストプログラマーを呼んでいるの…

小さな旅、ルパン三世、大野雄二&ジャズ

なんかこうして三つほど並べるとタイトルっぽくなるので便利である。 とはいえどっちみち暇ネタのよしなしごと、どうぞ御用とお急ぎでない 方はお立ち寄りください。 小さな旅。言うまでもなくこれはNHKの番組名で日曜日の朝8時から 放映されている。1983年4…

Violaは早春の光

今朝はひとしきり雪がちらちらしていたが、冬の余韻のようないたっておしとやかな振る舞いで間もなく退場。やがて雲も晴れてやわらかな日差しがやってきた。さすがに太陽の角度が違うぞ。やっぱり3月なんだと背伸びしたくなる。と言ってももう12日ですけ…

音楽で眠るシアワセ

クラシック音楽はわからんキライだ眠くなる。そう公然と宣言する反骨精神みなぎる人もいれば秘かに思う控えめな人もいる。中には聴く前から寝てるスキもキライもない天下太平な人も。まあ人は様々だが、大体においてクラシック音楽というものが人類を眠りに…

なしてだ?(英訳:Why?)

願わくば所得税の還付をお国からいただきたいものと年金暮らしの分際で確定申告を退職の翌年からe-taxで行っているのです。初回にちょっとばかり戻りがあったので気を良くしたが、それは前年の給与収入が反映されたまでのこと。次の年からは雀の涙、去年にい…

北の国の音楽を聴く

あと3つ寝ると立春というのに今日は一日中摂氏零度以下という断固たる真冬日。寒いです。若い頃、とりわけ高校生というバカ真っ盛りの頃は、およそ寒いという語彙は持ち合わせず、吹雪の中をずんずん歩きほっぺたからは湯気を発し鼻からは水を放出して意気…

ジャズ イギリス シアリング

イギリス、と申しましてもいささか広うござんすと言われそうだが、まあ目をつぶっていただきましょう。なにしろ相手は連合王国だから攻略は手に余る。この際、諸兄それぞれのイメージで「あ、はいはいイギリスね」と大らかに御納得を願います。 そのイギリス…

Claire Martin を聴きながら

クレア・マーティン、イギリス人。ロンドンはウインブルドンの出身である。UKにおける The First Lady of British Jazz と呼ばれる大物シンガーなのだそうだ。1967年9月6日の生まれとくれば、まあなんという偶然、つい先週が48歳の誕生日であった…

ラジオがきっかけ

ラジオといってもインターネット・ラジオ。この頃はずいぶん高音質で聴ける局が増えた。そんな局のひとつ、Linn Jazzをなんとなく流していたのであった。 本を読みながらでも「あれっ」と気を取られる曲があるもので、このときもそうだった。ああギターのソ…

「テレーゼ」ふたたび

昨日は、せっかくだからライヴの映像がいいかなとバレンボイムの演奏を貼ってみた。あれこれ探して選んだが、何十年来抱いてきた自分の「テレーゼ」のイメージとは必ずしもぴったんことも言えないところがあった。32曲全曲演奏のうちの1曲であるからとい…

明けましておめでとうございます

どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。併せて、当ブログの読者の方々、わざわざお訪ねくださる心やさしき皆々様の一年の平安とご多幸をお祈り申し上げます。 さて、三が日はもちろん茫と過ぎ、すでに明日は七草かというあんばいである。ワタクシの201…

Victor Young

今日が誕生日のVictor Youngさん。1900年8月8日生まれだった。1956年11月10日に亡くなっている。その3ヵ月後に「80日間世界一周」でアカデミー作曲賞を受賞。セレモニーにはエリザベス・テーラーが代わりに出たという。随分遅い受賞だった…

ある作曲家の音楽体験から

ハワード・グッドール、イギリスの作曲家で1958年生まれ。オックスフォード大学ニュー・カレッジ聖歌隊育ちというイギリスならではの経歴の持ち主である。変声期前のボーイ・ソプラノの頃から始まって青年期まで、中世・ルネサンスの教会音楽に始まる今日ま…

ナベサダのリハーサル

ナベサダなどと気安く呼んでゴメンナサイであります。日本のジャズのやっぱりナンバーワン渡辺貞夫。小さい頃は「だあちゃん」と呼ばれ、プロになってからはジャズの世界の習いで名前をひっくり返して「サダナベ」、そしてバークリー音楽院留学から帰ってか…

明るい表通りで

「On The Sunny Side Of The Street」というスタンダード・ナンバー、日本では「明るい表通りで」となっている。原題を見ると若干ニュアンスの違いを感じないでもないがそこらへんは気にしないで通用してきたようだ。この表通りという言い方で、我々はなにか…

ガーシュインの「ララバイ」

Lullabyといえば子守唄。そしてガーシュインの・・・といえば、あー「サマータイムだな」と連想する。ところがこんな曲がジョージの死後30年以上も過ぎた1968年に見つかって出版された。兄のアイラがそっと本棚にとっておいた楽譜だった。「Lullaby」とシ…

「映画雑感」となぜかマーラー5番

「映画雑感」、寺田寅彦の随筆である。ほう、博士は映画のことも書いてるのかと覗いてみたら片手間どころでなかった。そして、さらに昭和初期の映画事情の豊かなことに驚かされた。邦画・洋画、劇映画、記録映画、音楽映画、縦横無尽の攻めっぷりの寺田博士…

Everything Happens To Me

「Everything Happens To Me」をバリー・ハリスが弾いている。始まりを聴くとちょっとびっくり。あれ?とも思うのではないか。拍子があるのかないのか、ポツリポツリ、あっち行ったり、低音をでんっと鳴らしたり、たりらりらりと転がしてみたりの探り弾きみ…

バディネリ三題

「バディネリ」、我が国ではBadinerie の英語読みで呼ばれている。御存知バッハの管弦楽組曲第2番の終曲である。その名の通り、けっこうオーケストラで盛大に演奏されてきたが、本来はこじんまりとした編成で、ヴァイオリンの第1と第2、それにヴィオラと…

2本の指であざやかピアノ

ピアノは両手で弾くのが一般。山下洋輔式フリージャズの「肘打ち」や「拳ばしばし」「ピアノに火付け」は例外的奏法であって、普通は人間的に合わせて10本の指で行儀よく弾く。それでことは丸く収まるのである。しかし、この人を見よ。ライオネル・ハンプ…

コーヒーをどうぞ

ここ数日コーヒーを飲まないでいるのが残念である。格別願を懸けた訳でもないし、日頃の分量だって日に精々2杯か3杯だから依存症と言うほどでもないのだが、ちょっと「刺激物」を避けましょうという状態が必要だったので不本意ながらである。代わりに薬局…

ノクターンを聴く

秋の夜は、とくれば一人静かに酒を酌むというのが常道。そうでなければ音楽をしみじみと味わいたい。幸いにそれ応えてくれる音楽がある。夜の想いの曲と訳されたノクターンの数々だ。ノクターン、ノクチュルヌ、ノットゥルノ、夜想曲と言い方は様々だが、そ…

シールマンスのハーモニカ・ジャズ

ハーモニカでジャズというと正統にあらずの扱いかもしれない。いやこの楽器自体が必ずしも正当に評価されているとは言えないところもある。マイナーで簡便な楽器だと思われているようだ。記憶を辿ると小学校1年生でまず持たされたのがハーモニカだ。正直あ…