この第九に涙す
2000年5月1日、ベルリンフィルハーモニーのヨーロッパコンサートのライヴで
ある。
指揮はClaudio Abbado。ベルリンフィルの創立を記念して始まったというヨー
ロッパコンサート、10年目のこの年は本拠地での開催。この第九にはスウェーデン
の合唱団を招いての公演であった。
ワタクシ、このコンサートのDVDを持っていたのだけれど第九だけはなんとなく
敬遠して観ていなかった。第九は3楽章だけが好きで他はあまり・・・という無知
と偏見の塊状態だったのである。しかし、なんということだろうか、やはりこの
曲はすごいのだと思い知らされた。一種神格化された存在のベートーヴェンで
しかもその究極の作品と崇められるのに臍をまげていた。素直でないのは本当に
よろしくない。
とあることから必要あってこの手持ちのDVDを再生することになり時間の都合
からいきなりⅣ楽章をON。そこでまずオーケストラの真剣さにガツンとやられ
た。天下のベルリンフィルの手練れがそれこそ全神経を注いで演奏に向かっている。
全員が、何度も何度も演奏しているであろうこの曲を最上の敬意をもって演奏して
いるのが伝わってくる。彼らにとってベートーヴェンの音楽とは特別のものなのだ
ということがビシビシと伝わってくる。そういう気迫みなぎる面構えが画面に並ん
でいる。一撃を受けました。
そしてすべての情念の昇華ともいうべき合唱の入り。ここに至って思わず知らず
ウルウルっとなったのです。こんな第九はまずめったにないでしょう。すごいな
これは、の一言に尽きる。
ちょうどその部分をベルリンフィルのサイトがYouTubeにアップしています。
見てみて。
この演奏の全曲も誰かがアップしてるがそっちは広告が入ってるので割愛。
Beethoven: Symphony No. 9 / Abbado · Berliner Philharmoniker
ところで、今年は日本全国年末恒例の第九演奏会はどうなるのでしょう。
たいへんな影響がここにも、です。
※ざっと調べてみたら12月中の公演は全国で12。うち東京が8であとは大坂
とか横浜でした。やっぱり少ないでしょうね。ただこの後どうなるかまだ予断
を許さないとも言えますが。