年の初めの ALL OF ME

「謹賀新年」とまずは皆々様にご挨拶。旧2020年は思いのほかにゴタついた

年で世界中もれなく嵐に見舞われましたが、明けて2021年、なんとか穏やか

な年にと願わずにはいられません。そんな思いで、雪の晴れ間に用事を果たしに

外に出て近くのお寺の前を通りかかったらお地蔵さんに雪の帽子が。並んだ姿が

ずいぶんご立派だったので失礼して撮影。どうかよろしくお守りくださいという

通りすがりのお詣りであります。

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さて、善き行いも済んだところで、明るく聴き初めをしたいものだと考えました。

Aから行かねば、と安易かつ無根拠に選択して、年の初めの ALL OF ME と相成っ

たのでした。なにしろ曲の運びの明快さが正月の多少空気の抜けた頭にもすっと

入って来るから申し分なし。冒頭のドッソミーという音の動きもこの上ない簡潔

さで風通しがよい。この曲のメロデイ自体が音を追っかけて行くとコード進行と

あいまってフレーズの頭がド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド・シ・ラ・・・と

いう具合に順番コになっているので、聴いていて自然に乗せられるという仕掛け

があるかのよう。なかなか隅に置けない曲なのですね。

 

歌詞はお約束の恋の歌でたわいもないと言えばそれまでだが、私のハートを奪っ

といてそれっきりってひどいじゃないの、なんで私のすべてを・・・と実に積極

果敢なのか切ないのか、複雑微妙なよう。とくれば、あまり恨みがましく歌うの

はふさわしくない。小気味よく快調にそして多少のコケットリーを加味して歌っ

てほしい。ということでエラ・フィッツジェラルドの登場です。この安定した声

の座りの良さ、伸びのある節回し、さすがという感じですよ。気持ちをからりと

明るくしてくれるのでぜひ聴いてみてください。

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アレンジはネルソン・リドル。うまいものです。そして、1931年のこの歌、

本来は当時流行の片思いや失恋を歌うトーチ・ソングの一種なのにエラが歌うと

つれない相手もなんのそのといった馬力を感じてしまいます。ウジウジしたもの

を吹っ飛ばす心地よさをがなんともいえない味を出しています。

では皆の衆、2021年、なんとか立ち直りましょうぞ。