すっかり冬景色

 昨日今日と雪の空。風も負けじと吹いております。しばらく厳しい季節が続きます。太陽の黒点の活動が弱まっているとの観測もあり、地球は冷えのサイクルに向かっていくのでしょうか。エネルギー問題がますます深刻になりそうです。あこがれの自然エネルギーも結構ですが、夢見る瞳で空理空論をもてあそんでいる暇はないと思われます。

 視界が白の世界で覆われてしまったので、ちょっと前に遡って晴れた日の冬景色を載せてみます。いくらか温かそうに見えるでしょう。青空の下、静かなる太平山を望むといったところです。穏やかな時間をふと感じたのでした。太平山は県のほぼ中央に位置する山で、秋田市のシンボルとして市内の学校では校種を問わず校歌の歌詞に詠み込まれています。大抵は雄物川とセットで。写真で見るように多数の頂きが連なっていますがいちばん奥が太平山で古くからの修験の山。低く見えますが1,170.4mあります。

 いつの間にか覚えていた俳句「遠山に日の当たりたる枯野かな」をなんとなく思い出してしまう光景でした。伊予松山の風景を詠んだ若き日の虚子の句ですからこの北国の景色とは相当違う世界なのでしょうけど、冬の晴れた日に遠くを見るとつい浮かんでくるようになりました。冬空に顔を上げて広々と肯定的な気分を取り戻す。そんな感じにしてくれる句です。春を待ちましょう。

taiheizan

空っぽの巣箱も春を待っています。

空き家