本のこと

本棚が片付いたもんだな

本の整理を進めてきてまずまず一段落というところとなった。見ればほぼ半減である。滞在期間およそ10年から40年を経て、本にも半減期というのが来たようだ。長らく眠っていたホコリまみれの古ツワモノ共が退役して本棚がなんとなく生き生きして見えるか…

本はなにかと世話がやけます

Victor Youngさんの誕生日にお祝いを申し上げた前回エントリーから、まあ、なんということでしょう3ヶ月以上も過ぎてしまったではないですか。なんの考えもなく意味もなく、ただモノグサにしていただけでありました。道草太郎め絶滅したかと思われた向きも…

昔も今も

E.M.フォースターのエッセイを集めたものを読んでみた。書名は『老年について』。隠居の身としては実にうっとりするようなタイトルではないか。ただし、いまどきの、高齢化への不安が募る時流に乗って、うまいこと売ってやろうという類の諸々とは違って…

服部正也著『ルワンダ中央銀行総裁日記』

今から40年前、1972年初版の中公新書。同年に毎日出版文化賞を受賞した。その後1990年以後のルワンダ動乱に伴う虐殺や大量難民の状況などをめぐる欧米メディアの報道姿勢とそれに追随する日本の報道への疑問を述べた論考「ルワンダ動乱は正しく伝…

1950年代にリバース

なんとも迂闊な話だが、自分の生まれた昭和25年の日本はまだ米軍の占領下にあったのだと気がついた。今更ながらである。我らはオキュパイド・ジャパンに生まれたのだった。考えてみると、朝鮮戦争が始まった年なのだしサンフランシスコ平和条約は翌年の9…

『楽興の時』大久保喬樹(1977年音楽之友社)

著者は昭和21年生まれの比較文学の研究者。25歳秋から27歳夏までのフランス留学の間に触れた音楽のことを書き綴ったもの。出版された昭和52年は私が働き始めて数年目、未だ混沌たる自分の有様に戸惑う頃であった。 書名に導かれて読み始め、すぐに思…