Peel P50とは何者か

「自動車はちっちゃくて面白いのがいいのだよ」と、そういうことを考えるのはイギリス人。アレック・イシゴニス設計の名車BMCミニもそうやって産まれた。BMWの世話になってる今のもいいが昔のがそれ。1959年に生まれたオリジナルの方だ。車をステ…

本棚が片付いたもんだな

本の整理を進めてきてまずまず一段落というところとなった。見ればほぼ半減である。滞在期間およそ10年から40年を経て、本にも半減期というのが来たようだ。長らく眠っていたホコリまみれの古ツワモノ共が退役して本棚がなんとなく生き生きして見えるか…

本はなにかと世話がやけます

Victor Youngさんの誕生日にお祝いを申し上げた前回エントリーから、まあ、なんということでしょう3ヶ月以上も過ぎてしまったではないですか。なんの考えもなく意味もなく、ただモノグサにしていただけでありました。道草太郎め絶滅したかと思われた向きも…

Victor Young

今日が誕生日のVictor Youngさん。1900年8月8日生まれだった。1956年11月10日に亡くなっている。その3ヵ月後に「80日間世界一周」でアカデミー作曲賞を受賞。セレモニーにはエリザベス・テーラーが代わりに出たという。随分遅い受賞だった…

ある作曲家の音楽体験から

ハワード・グッドール、イギリスの作曲家で1958年生まれ。オックスフォード大学ニュー・カレッジ聖歌隊育ちというイギリスならではの経歴の持ち主である。変声期前のボーイ・ソプラノの頃から始まって青年期まで、中世・ルネサンスの教会音楽に始まる今日ま…

むかしむかし3

昔話ばっかりで恐縮です。 ストリートビューをいたずらしていて、ふと思いついたのが上京して初めて住んだアパートの辺りは今どうなっているのかということ。東京都某区の片隅である。うろ覚えながらもGoogleマップの検索窓に区名町名を入れて探ってみ…

むかしむかし2

東京はとんと御無沙汰ですっかり遠い都になってしまった。テレビの画面で見るたびに、様変わりしているのだなあ思うばかりだ。あの街この街、みなにょきにょきと高層化して立派になってしまった。自分が暮らした頃の新旧混在、路地だらけの迷宮じみた都会ら…

むかしむかし

ここのところ続いていた暑さが今度は雨にかわってひんやりするくらい。雨の音を聞きながら部屋に沈殿していたらなんとなく昔のことを思い出した。朝に浜辺をさまよわなくても昔のことなら思い出せる。都合の悪いことは抜かして。これみな年寄りの特性である…

バッハで安らぐ

音楽の広い世界に分け入って、あれこれジャンルを横断して弾いてみたり聴いてみたり、少しは勉強してみるかと歴史を往来しても結局「マイリマシタ、降参です」となるのがバッハ、J.S.Bachである。これはワタクシごときが賢しらげに言うまでもなく、かのBeeth…

ナベサダのリハーサル

ナベサダなどと気安く呼んでゴメンナサイであります。日本のジャズのやっぱりナンバーワン渡辺貞夫。小さい頃は「だあちゃん」と呼ばれ、プロになってからはジャズの世界の習いで名前をひっくり返して「サダナベ」、そしてバークリー音楽院留学から帰ってか…

明るい表通りで

「On The Sunny Side Of The Street」というスタンダード・ナンバー、日本では「明るい表通りで」となっている。原題を見ると若干ニュアンスの違いを感じないでもないがそこらへんは気にしないで通用してきたようだ。この表通りという言い方で、我々はなにか…

うかうかと8週間

ガーシュインのララバイをエントリーしたら気持ちよくなって巣穴にもぐりこみ、以来なんと8週間もグータラしてしまった。ほぼ2カ月。気がつけば本格の春である。そろそろしゃきっとしなさいよ、と声が聞こえてきそうだ。春の光がそこにあるよ出てこい出て…

ガーシュインの「ララバイ」

Lullabyといえば子守唄。そしてガーシュインの・・・といえば、あー「サマータイムだな」と連想する。ところがこんな曲がジョージの死後30年以上も過ぎた1968年に見つかって出版された。兄のアイラがそっと本棚にとっておいた楽譜だった。「Lullaby」とシ…

昔も今も

E.M.フォースターのエッセイを集めたものを読んでみた。書名は『老年について』。隠居の身としては実にうっとりするようなタイトルではないか。ただし、いまどきの、高齢化への不安が募る時流に乗って、うまいこと売ってやろうという類の諸々とは違って…

クラリネットを聴きましょう

今日は大寒だぞ、と朝のテレビでお知らせがあった。ほんとだ確かに寒い。雪もたんとある。しかもまだ降る気満々の空模様。いい加減にしてくれやいと空を見るが通じる気配もなし。毎年のことながら人間の暮らしもしんどいものだ。そこへいくと猫たちはうらや…

音楽の泉 ノルウェー篇

北半球はあちらこちらで強い寒波に見舞われエライことになっている。カナダのお正月は火星より寒いという強烈なインパクトで明けた。世界中が流石はカナダと感心したようだ。が、アメリカも他人事ではなかった。車は転がる脱獄犯は刑務所に逃げ込む火事場は…

年の初めは心静かに

ブログの書き初め、と正座して墨をスリスリではないが、2014年初エントリーなので少し真面目に。なにしろ1年の計は・・・(DVDで3日も過ぎてしまった)・・・。今年は音楽のことをもっとよく知りたいものだ。そう願ったばかりというところでの一筆…

古巣が店じまい

FC2に引っ越してくる前に滞在していた古巣のイザブログが今月で店じまいとなるので、ちょっと挨拶をエントリーした。以下、それを転載。 あらためて、こちらのブログをよろしくお願いいたします。 **************************…

"Snowfall" Claude Thornhill 1941

雪国の住人は毎日の除雪やら屋根の雪下ろしはもちろんのこと、諸々の難儀で疲れ果て、「うんざりだー、あとたくさんだー」とつい口に出してしまう。それが毎年の習いである。ところが、それでいて雪の季節が到来すると結構いそいそとなったりもするから不思…

すっかり冬景色

昨日今日と雪の空。風も負けじと吹いております。しばらく厳しい季節が続きます。太陽の黒点の活動が弱まっているとの観測もあり、地球は冷えのサイクルに向かっていくのでしょうか。エネルギー問題がますます深刻になりそうです。あこがれの自然エネルギー…

拙者Ludwig van Beethovenでござる

ベートーヴェンというとなぜか音楽界に聳える岩山のようなイメージになる。音楽室の壁に連なる肖像画の中でも一際気むずかしそうなあのライオン顔のせいだろうか。力を抜いて、"Hi, L.V !!" とでも呼べばなんとなくウエストコーストのミュージシャン風にも聞…

相当カッカしています

総統閣下の怒りの場面を使って、こともあろうにこんな話に仕立て上げています。近年の話題の映画であり題材がシリアスなものだったので、こんな風に取り上げるのは何たる不謹慎と御怒りの方もおられるかもしれない。よろずのことに真面目な方々はすぐに学問…

はや12月

前の記事エントリーから2週間が経ってしまった。冬眠に入ったかあるいは気絶したかのような空白の期間が生じたが、こちらの有様とは関わりなく暦は着々とめぐり滞りなく12月になったようだ。世間はクリスマスシーズンに入り、近所の地元資本スーパーの前…

「映画雑感」となぜかマーラー5番

「映画雑感」、寺田寅彦の随筆である。ほう、博士は映画のことも書いてるのかと覗いてみたら片手間どころでなかった。そして、さらに昭和初期の映画事情の豊かなことに驚かされた。邦画・洋画、劇映画、記録映画、音楽映画、縦横無尽の攻めっぷりの寺田博士…

Everything Happens To Me

「Everything Happens To Me」をバリー・ハリスが弾いている。始まりを聴くとちょっとびっくり。あれ?とも思うのではないか。拍子があるのかないのか、ポツリポツリ、あっち行ったり、低音をでんっと鳴らしたり、たりらりらりと転がしてみたりの探り弾きみ…

バディネリ三題

「バディネリ」、我が国ではBadinerie の英語読みで呼ばれている。御存知バッハの管弦楽組曲第2番の終曲である。その名の通り、けっこうオーケストラで盛大に演奏されてきたが、本来はこじんまりとした編成で、ヴァイオリンの第1と第2、それにヴィオラと…

2本の指であざやかピアノ

ピアノは両手で弾くのが一般。山下洋輔式フリージャズの「肘打ち」や「拳ばしばし」「ピアノに火付け」は例外的奏法であって、普通は人間的に合わせて10本の指で行儀よく弾く。それでことは丸く収まるのである。しかし、この人を見よ。ライオネル・ハンプ…

コーヒーをどうぞ

ここ数日コーヒーを飲まないでいるのが残念である。格別願を懸けた訳でもないし、日頃の分量だって日に精々2杯か3杯だから依存症と言うほどでもないのだが、ちょっと「刺激物」を避けましょうという状態が必要だったので不本意ながらである。代わりに薬局…

ノクターンを聴く

秋の夜は、とくれば一人静かに酒を酌むというのが常道。そうでなければ音楽をしみじみと味わいたい。幸いにそれ応えてくれる音楽がある。夜の想いの曲と訳されたノクターンの数々だ。ノクターン、ノクチュルヌ、ノットゥルノ、夜想曲と言い方は様々だが、そ…

シールマンスのハーモニカ・ジャズ

ハーモニカでジャズというと正統にあらずの扱いかもしれない。いやこの楽器自体が必ずしも正当に評価されているとは言えないところもある。マイナーで簡便な楽器だと思われているようだ。記憶を辿ると小学校1年生でまず持たされたのがハーモニカだ。正直あ…